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探偵小説と推理小説 1 [推理小説]

「1973年版 推理小説年鑑 推理小説代表作選集」。1972年に発表された推理小説の中からピックアップされた14編が収録されている。当時の日本推理作家協会理事長の島田一男さんが「序」を担当されており、そちらが気になった。

「推理小説という言葉は故木々高太郎氏の作語である。戦後施行された当用漢字制には偵という字が含まれていなかったため、正式には探てい小説と書かねばならなかった。これではどうにも恰好が悪い。そこで木々氏の提唱により推理小説ということになった。しかし、どこか馴染めないし、抵抗を感じる言葉であった。現に、戦後の推理小説興隆の中心母体であった江戸川乱歩の会が組織化されたときも当用漢字を無視して、日本探偵作家クラブと名乗ったほどである。・・かつて乱歩先生は、―探偵小説は怪談からSFまでを含む―と云われたが、その言葉は推理小説にこそ当てはまるものであり、むしろオーソドックスな謎解き本位のいわゆる探偵小説は、推理小説の広い世界の一分野であるような感じを受けるようになった。・・」と記載されている。

 違和感なく探偵小説の表現を使っていたのだが、そのような過去まで知らなかった。ネットで当用漢字について調べてみると、1946年に当用漢字が制定された時には、「偵」の字ははいっていなかった。1954年に国語審議会から当用漢字補正試案が出され当用漢字に追加すべき28字に「偵」が入っていたものの、結局は変更されず、1981年の当用漢字制定でやっと「偵」が当用漢字に追加された。なにげに使用している漢字にもこの様な変遷があり、木々高太郎さんが当用漢字まで考慮して推理小説の表現に決められたとは、そこまでは考えていなかった。

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